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            メール・マガジン

       「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第038号         ’00−03−31★

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     キャリア組

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●古くは「旧文官高等試験(高文)

 

に合格し、中央本省に採用された者を指す」とあり、その後国家公務員試験

上級甲、その後1種と言い方が変わりましたが、基本的に<受験秀才>たち。

各省庁の幹部候補者として昇進の道が準備されて<キャリア組>と呼ばれる。

 

たたき上げ<ノン・キャリア>組が本省課長以上に登用されることは例外的、

という何故か差別的な制度。 歴史を重ね、国家的DNAと化した感あり。

 

IQ高くとも、実務経験や俗世の人情に触れること少なく、ちやほやされて

いれば、、多分ろくなことになるまい、と思って普通だが、彼らは思わない。

そこからしてすでに、<普通>ではない人たち。 その彼らに

 

「普通じゃないですよ」と教えてやれる人はいるはずだが教えない。 結局

<普通でない連中>が全官庁の要職を占め、この国を狂わせて行くばかり。

 

 

昇進エスカレータに席を確保すべく、ひたすら弱きをイジメ、強きにナビク。

途中で降ろされる連中への配慮か、上り詰めた後の自分のためか、軟着陸用

パラシュートの製作・整備には本業以上に熱を込める習性がある、という。

 

実務能力は俗世界で通用するほどのものでないし、第一積極的に働く意志が

無い。 そこで<自分たちだけの世界の延長>を作る。 それが特殊・認可

・公益法人。 ’98年中再就職者の三分の二がメデタクそれらに収まった。

 

民間へ下った数%の主たる行き先は、不思議もなく政府事業の受注上位企業。

いずれにせよ、いきなり決まるものではない。 そんなことを計画?したり、

工作・監督するのも大仕事、一朝一夕のものではあるまい。 結局誰のため

でもなく、自分や仲間たちのために働く毎日となり果てる、、、

 

一種脅迫にも似た<指導>や縄張りへの固執、海外諸国の要請への抵抗など、

どれも<普通>でないが、<彼ら>にはそれが一番大切、、なのですね。

 

*   *

 

ともあれ高IQ。 たとえ賢さに欠けてはいても、アタマは良い。 実態の

隠蔽、責任所在の不明確化など、防衛体制はすこぶる堅固です。 けれども、

 

人間のすること、どこかにホコロビは生じる。 その時は平然、ウソで切り

抜ける。 ウソの種が尽きたら、、仕方ない、いつもの手だ。 一人か二人、

エスカレータ下段から選び出し、高い階のトイレの窓から飛び降りさせる。 

 

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●1989年5月アメリカの

 

包括貿易法スーパー301条の対日適用から始まった日米構造協議で色々

掲げられた項目は、要するにそのような我が国の官僚支配体制を崩すこと

が狙いであった、と申します。 しかし、不幸にもその後、

 

彼我の形成が完全に逆転。 バッシング不要どころか、またいでしまえの

パッシング! ついには、もうメじゃなくなった、ナッシング! ああ、、

 

いっときはジャパン・プロブレム、つまり日本という国の存在自体が問題

とされたくらいなのに、、 気にかける必要も無い、、になっちゃった。

 

その結果、官僚支配体制はほとんど無傷で生き残り、ますます健在です。

その分、一般国民の不幸はさらに深まる、、、

 

 

カレル・ヴァン・ウォルフレン「人間を幸福にしない日本というシステム」

(毎日新聞社 1994年)は我々に、そこに気付かなくて良いのか、

大声を上げなくて良いのか、と迫る啓蒙の書でした。

 

いわば口に苦い良薬。 たとえば、

 日本の中間階級は政治的に骨抜きにされ、したがって利益を求めて闘う

 ことができない。

 

 つまりは、日本人の民主主義は中身のない貝殻のようなものにすぎない、

 ということだ。 その貝殻の中で多くの「民主主義的」儀式がとり行な

 われているが、それも日本の市民を誤らせる偽りのリアリティをばら

 まいているにすぎない。 民主主義の形をした殻のなかで実際に機能

 している権力システムは、「官僚独裁主義」と呼ぶべきである。

 

 日本のこの独裁主義は特異な現象だ。 なぜなら、私のよく知っている

 ほかの独裁的政治システムとはちがって、権力が最終的に一人の人間

 もしくは一つの集団に集中していないからである。     (p.89)

 

また、

 このシステムには、最終的な「説明責任」アカウンタビリティがない。

 、、、官僚たちは、何をしているか、なぜそれをしているか、人々に

 伝えず、人々は「公僕」たちが何をなすべきか、官僚たちに伝えない。

 

 その仲介は政治家の公的役割であるが、それが出来ていない、、、

                             (p.88)

*   *

 

オソレイリマシタ。 最近の例でも、新潟警察から警察庁、国家公安委員会

に至るまで、<説明>と言える説明なんか提供しなかった、、でしょ? 

 

内閣官房長官すら、「余りにも常識外れの行為できわめて遺憾」なので、

「政府として甘すぎる処分の見直しを迫ったが、、」、、効き目なし。

 

何せ行政の長、首相にヤル気が無い。 「国家公安委員会で新たな処分が

なされず、国民の批判が予想されますが、、?」と質問されて、「首相と

してどういう処分をするか、申し上げる立場にない」。 え?そんな?で

 

「それが全てですか?」と迫ると、「何が全てか?」と語気荒く、また

「警察法で、自分には指揮監督する権利が無い」、「懲戒をやれ、とは

言えない」という逃げ口上。 その一方、

 

国家公安委員会の<甘すぎる処分>は、田中警察庁長官の<強い意志>

が働いたため、とも報道された。 力関係真っ逆様、という世界らしい。

 

*   *   *

 

舛添要一氏は、国家公務員法82条「国民全体の奉仕者たるにふさわしく

ない非行のあった場合、、、」を適用すべきケース、と。 しかし法律は

あっても、公安委員会は用いない。 スタッフ、予算、権限、何も無いと。

なのに<時給(換算)50万円>とは?!  そのTVに向かって私は

 

「教育委員会だって同じだぜ」と毒づく。 と、それに答えるかのごとく

舛添氏が続けました。 「国家公安委員会だけじゃない。 都道府県公安

委員会も、教育委員会も、、」と。  多分、この国のシステムのすべて。

 

 

 

●警察制度におけるキャリア組

 

は<警察民主化3本柱>の一つとして、<公安委員会>、<監査制度>と

共に導入された、、ということは、ともかく<良かれ>の心であったはず。

それが今は、これほど<悪しかれ>になってしまっている、、、。

 

佐々淳行元内閣安全保障室長によると、新潟県警本部長であった小林氏は

昭和47年東大法学部卒で警察庁採用。 たまたまそれは浅間山荘事件の

起きた年。 殉職者2名を出しながらも人質救出、犯人逮捕。 民主平和

日本の警察としての信頼を築いた年でもあった、と。 だからそれを

 

小林氏が知らなかった筈はなく、また当初はそのような信念を抱いていた

と信じたい。 28年の間にそこまで腐らせてしまった、ということは、

<体制>に問題があることの証し。 当時は警察においても旺盛であった

<ノブレス・オブリジェ>が今は見られなくなっている、とも。 つまり、

 

長い時間の経過と共に生じた徐々の劣化。 <慢性>型の問題、ですな。

 

 

人間がらみの問題は、多くそんなもの。 <良かれ>で始まり、いつの間

にか<悪しかれ>に。 これはチェックを利かせて防ぐほか無い、、のに、

 

ほかの2本柱が骨抜きで、全くその役をしなかった。 どちらも<内輪>

の仕組みになっていたから、、です。 要領の良さか、悪賢さか、、?

 

その種<工作>はケーサツに限ったことではなく、どの省庁でも。 手を

加えるなら環境変化に即した機能的改良とすべきだったのに、自分たちの

都合ばかりを優先させてきた形。 これでは世情からかけ離れるばかり、

即ち<別>世界。  <公>務員、<公>僕、のはずが、、ねえ、、

 

*   *

 

何故それほどまで身勝手を決め込むのか? その謎を解くキー・ワードは、

「自己目的化」かも。 目的を達成するための<手段>であったものが、

いつの間にか(当初のとは別の)<目的>になってしまう現象、ですな。

 

海外旅行を夢見て貯金し始める。 グァムなら行ける額が貯まった。 が、

少し加えればハワイへ行けるな、でガマンする。 その額に達した、じゃ

行くか? 行かない。 もう少し貯めて、アメリカ西海岸まで行こうぜ!

 

それが東海岸まで、いや世界一周、となり、、いつか貯金自体が楽しみに

なってしまう。 旅行という目的を実現する手段が貯金だったのに、今や

貯金のための貯金に励むように、、   自覚症状なき徐々の変化、、。

 

何故ならそれにおいても、<海外旅行>は常に<目標>ではあり続けて

いるので、ご本人自身はオカシイことに全く気付かない。 同様、

 

<キャリア組>も、いつかは立派な仕事をしようと思い、そのために力が

振るえる高い地位を、と目指したのでしょう。 能力発揮が目的、それを

実現する手段としての地位。 ところがアララ、その地位が<目的>に、、

 

各省庁も、それぞれの職能を果たすことを目的とした組織として発足した

はず。 即ち、<組織>は初め<手段>でした。 それがいつの間にやら、

<組織を発展させることを目的とする組織>になってしまった。 

 

もちろん本来の目的に基づく活動もするが、それはメカニズム。 何せず

とも表面的には機能する。 アタマの閑な小人は当然、<不善>をなす。

が、悪気はない。 組織の充実、円滑な運営も<公>務だもんね、、、

 

しかし、やはりオカシイ。 それは、どんなステートメントなんだ? と

チェックすれば正せること。 でも、チェックするのが<身内>じゃ、ね。 

 

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●他人事(ひとごと)では

 

ありません。 職場にも、当初の<良かれ>からかけ離れてしまった目的

にシコシコ励むことを強いている不合理な仕組み、はあるものです。 

 

このサービスを提供することで世の中の役に立とう、で始めるのが企業。

しかしいつしか、提供するものが変わったり失せたりしてしまい、今や

会社を成り立たせるために「何をネタにしようか?」に逆転している、、、

 

旧財閥系商事会社の<7人の課長たち>が新ビジネスの開拓に奮闘する

ドキュメントをNHKTVで観ました。 企業<キャリア組>だって、

ほら、<自己目的化>しているじゃありませんか? 

 

その回避・脱却には Rational Process 、 まず状況分析での自己点検。

お奨めします。 仕事も速い。 <7人>もいたら、あんな日数かけずに

もっとマシな判断が出せたろうに、、、。

 

スピード経営の時代、技法の助けがますます必要、と感じさせる番組でした。

                            ■竹島元一■

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